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【遥か地平線の彼方へ】第一章(2)

第一章(2)

「おーい、君、大丈夫か?」
「……ん」
「よかった、気がついたな」
 ミハエルは先ほど不注意で吹っ飛ばしてしまった子供を、自分のベッドに寝かせていた。もしこれで起きなかった場合、学校駐在の軍医に診せようとしていたところだったが。
「あれ? ここは……?」
 幼い声の主は、頭を押さえながら問うた。
「士官学校寮だ。……はい、眼鏡」
「あ、ありがとうございます」
 両手で眼鏡を受け取った子供は、ベッドから起き上がろうとする。
「あ、そうでした! 荷物を運んでいたら、急に目の前が真っ暗になって……」
「……それ以上は何も言うな」
「?」
「ところで、君、この荷物は何なんだ?」
 身の丈よりも大きな、そして随分重い荷物を指して、ミハエルは尋ねた。
「すみません……運ぼうと頑張ったのですが……」
「まぁ、この量だしな」
 物理的に無理だろうと、ミハエルは鞄を叩いた。
「どこに運ぶんだ? 難だったら手伝おうか?」
「よろしいのですか!?」
「ああ。どうせ暇だし」
「ありがとうございます! お優しい方ですね」
 いや、そんな感謝されてもと、さっき吹っ飛ばした手前言いにくかったミハエルであった。
「じゃあ、どの部屋に運ぶんだい?」
「少々お待ちを」
 ベッドから抜け出し、その子供は部屋の扉の向こう側を見にいく。
「あ、こちらで構いません」
「へ?」
「よかったです。これでご足労かけずに済みそうです」
「え? ちょ、ええ!?」
 待て待て、ものすごく引っかかる、とミハエルは額に手を当てる。
「えっと……君、部屋間違えてないかい?」
「そんなことはありません」
「でも、この部屋は俺だけだったはず……でも俺はもう荷物運んでるし……」
 てっきりこの子供が他の生徒の家族で、足りない荷物でも運んできたのだと思っていたミハエルであったが、どうやらそういうわけではないらしい。
「姉さんか? それともお義父様? ……いや、実は執事の……」
 ひとまず、大荷物を連絡なしに運び込ませる人物をリストアップしていくミハエル。
「何を仰います? ここは私の部屋でもあるのですよ。ミハエル・シュレーディンガー生徒?」




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久間知毅

Author:久間知毅
和歌山の南の方出身/学生時代:電気工学→理論計算機科学/歴史小説書きorシナリオ書き,たまにイラスト担当/ニコニコ動画では語学(ドイツ語等)講座,数学講座やドイツ統一史を連載中/TRPG(クトゥルフ,ARA2E),艦これ

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