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【遥か地平線の彼方へ】第一章(19)

第一章(19)

――コンコン。
「ミハエル、いる?」
「居るわよ」
「あの、姉さん。ここは俺とランツの部屋なんですが……?」
 扉の向こうからの声に勝手に返事するローゼに呆れつつ、ミハエルは扉が開くのを待った。
「お邪魔します」
 ローゼとミハエルの声を確かめたのか、サラは一礼して扉を開ける。
 と、ランツが何かに気付いたように立ち上がった。
「ミハエル、丁度知人からお茶を頂いたので、淹れてきます」
「おう、頼んだ」
「実は私も、一度ゆっくりお話ししてみたかったもので」
 ランツはそう微笑みかけると、サラの開けたドアをするりと出て給湯室へ向かった。
「いやぁ、宴会といえばビールなんだが……」
「誰が、いつ、宴会をやるといいましたか?」
「残念にゃ~」
 ローゼがまた何か不穏なことを言い出しそうだったので、弟として先に封じておく。
「でん……ローゼさんは面白い方ですね」
 苦笑しながらサラは感想を漏らす。
 敬称をつけそうになり慌てて言い直したあたり、姉の暴走が見て取れた。
「うーん……疲れるといった方が正しいかも」
「ミハエル~? それは酷いんでない?」
「ふふっ……本当に、いいお姉さんを持ったみたいね、ミハエル」
「……はぁ」
 サラにまでからかわれだしたか、とミハエルは目を瞑った。
「昼休みは少ししか話せなかったもん。今までミハエルがどんな生活してきたか、たっぷり聞かせてもらうからね」
「ハハハ、お手柔らかに」
 それから少し、ミハエルの居住空間を見回るサラと、姉が余計なことを言い出さないか監視するミハエルがそこにいた。もっとも、監視したところで暴走姉が止まるわけなんてなく、何度もいびられ続けたわけだが。
「お待たせしました……って、ど、どうしました……?」
 ポットとティーカップを持ったランツは、ベッドに突っ伏して枕で頭を抱えるミハエルを見て当然の如く疑問を持った。
「…………」
「あ、あの……お茶、淹れてきましたけど……」
「……飲む」
 頭に載せていた枕を脇において、ミハエルは不貞腐れたようにお茶をすすった。
「お二人も、どうぞ」
「貰うわね」
「ありがとうございます」
 それぞれの手にカップが行きわたり、互いに紹介しあうところから仕切りなおす。
 ランツとサラの会話についていけなくなったり、姉にからかわれたりしながら、ミハエルは仮で木がはめ込まれた窓の前でみんなとの遅いティータイムを満喫していた。







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久間知毅

Author:久間知毅
和歌山の南の方出身/学生時代:電気工学→理論計算機科学/歴史小説書きorシナリオ書き,たまにイラスト担当/ニコニコ動画では語学(ドイツ語等)講座,数学講座やドイツ統一史を連載中/TRPG(クトゥルフ,ARA2E),艦これ

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