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【遥か地平線の彼方へ】第一章(21)

第一章(21)

「こうなるとはうすうす感じてたけど……」
「そう……ですね」
「こうもあっさり……なぁ?」
「……ええ」
 ミハエルとランツは、廊下に貼られた中間考査の成績表を見てそう呟いた。
 本科一年の上位陣はいつもどおり、首席ランツ、次席ヴィンツェンツ、第三席ベルホルト。
 変わったことといえば、ミハエルが第十八席と健闘したことくらいであった。
「まさか、殿下が次席になるなんて……」
「さすがになぁ」
 これまで首席を維持していたローゼの席次は今回次席。本科二年首席生徒に輝いたのは、なんと留学生のサラであった。
「姉さんの次はフォン=ブルヒャー先輩ってあたり、いつもどおりなんだが」
 他の生徒の名前を追うが、ほとんどいつもの席次に一を足しただけである。
「おいおい……ローゼ殿下もすごいけど、ド・ベルス先輩って何者なんだ」
「文武両道の姫様すら凌駕するとは……うう! ますます羨ましいぞ、ミハエル!」
「なぜ俺に振る」
 止め役のベルホルトが近くに居ないため、カルルはミハエルにやたらと絡む。おまけにその他の男たちまで一緒になって詰め寄ってきたものだから、ミハエルはあわててその場を離れようとした。
「……おい」
 むさ苦しい輪から脱出したミハエルに、重い口調が尋ねる。
「なんだ、ヴィンツェンツ……って、どうしたその顔は?」
 声の主の重苦しい表情に、揉みくちゃにされた服を手短に調えながらミハエルは訊いた。
「留学生とお前は知己だったな」
 こう呟いたヴィンツェンツは、顎に手を当ててしばらく考えていたが、「気のせいか」と納得し、ハワードを連れ立って教室へ戻っていく。
「……なんなんだ? あいつ」
「み、ミハエル……」
「ちょ、ランツ!」
 ヴィンツェンツへの疑問も、人ごみに揉まれてボロ雑巾になりつつあるランツのSOSでミハエルの頭から消えることとなった。








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久間知毅

Author:久間知毅
和歌山の南の方出身/学生時代:電気工学→理論計算機科学/歴史小説書きorシナリオ書き,たまにイラスト担当/ニコニコ動画では語学(ドイツ語等)講座,数学講座やドイツ統一史を連載中/TRPG(クトゥルフ,ARA2E),艦これ

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