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【遥か地平線の彼方へ】第一章(23)

第一章(23)

 朝の騒ぎがひと段落した昼休み。ミハエル昼食をとろうと食堂までの廊下を歩いていた。
 ――と。
 カツカツカツ。
「あれ? 西之上少佐だ」
 ミハエルが渡る廊下と、中庭を挟んだ別の廊下を、西之上少佐は歩いている。
(……また、校長先生に用かな?)
「少佐!」
 ミハエルはあることを思いついて西之上少佐に声をかける。
「ん? なんだ、ミハエルか。どうしたんだ?」
「実は……」



 疲れる授業もひと段落し、ミハエルはいつもの喫茶店に足を向けた。
「…………」
 いつもの席にはあの少女がちょこんと座り、ティーカップを置いて本を読んでいる。
「こんにちは」
「…………」
 わずかに少女は会釈する。
「今日も天気いいね」
「…………」
 少女は、こくりと返事をした。
 それを確認すると、ミハエルは店員に注文をして席に着く。
「…………」
「…………」
 陽光は穏やかで、近くのマリオン大学や川向こうの王宮の建物を白く輝かせている。
「…………」
「…………」
「…………」
「…………」
 ……会話が続かないな。
「……そういや、君、何読んでるのかな?」
「…………」
 少女は一度ミハエルを見ると、今まで読んでいた本を少し上げた。
「……『経済学および課税の原理』?」
(……あ、ありがとうございました)
 ミハエルは顔を引きつらせてしまう。
「…………」
 そんな俺を気にも留めず、少女はランツの読んでいそうな本を読み続けていた。
 出てきたお茶も飲み干し、俺は席を立ち上がる。
「じゃあ、俺はそろそろ……」
「…………」
 少女は、ようやく本から眼を離し、ミハエルを見上げた。
「…………」
 ミハエルは、少しだけ少女が眼を細めたように見えた。





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久間知毅

Author:久間知毅
和歌山の南の方出身/学生時代:電気工学→理論計算機科学/歴史小説書きorシナリオ書き,たまにイラスト担当/ニコニコ動画では語学(ドイツ語等)講座,数学講座やドイツ統一史を連載中/TRPG(クトゥルフ,ARA2E),艦これ

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